遺言は全部手書きで書かなければならないの?
2020.12.01
いつもブログを拝見していただきありがとうございます。
今回は、遺言についての記事を書いていきます。
ここ最近、遺言制度については、重要な法改正が多く行われ、これから遺言の作成を考える人も知っておくと将来の備えに役立つ制度ができています。
その中でも「遺言は全部手書きで書かなければならないの?」をテーマとして取り扱っていきます。
法改正の内容
遺言には、以下の3つの種類があります。
➀「自筆証書遺言」
②「公正証書遺言」
③「秘密証書遺言」
この中でも一番利用しやすいのが、①「自筆証書遺言」です。
自筆証書遺言は、「自筆」という通り、遺言者が手書きで全文を書かなければなりませんでした。
しかし、平成31年1月13日の法改正によって、すべてを自書する必要がなくなり、
日付 氏名 財産目録以外の全文
を自筆で書けば良くなりました(押印は必要です)。
「財産目録については自署の必要がなくなった」ことが大きな変更点です。
その代わり、通帳のコピーや全部事項証明書のコピーに、自署と押印が必要になります。
改正前は財産目録まですべて書くことが必要であった
例えば、
「A銀行の普通預金をBに遺贈する」という遺言を作成する場合、
A銀行の預金の記載をすべて自筆で書かなければなりませんでした。
文字をたくさん書くことが難しくなってきた方にとっては、自分の財産をすべて書かなければならないのはとても高いハードルでした。
財産が多ければ多いほど書く量も増えてしまいますので、作成がより困難になってしまいます。
このような場合、公正証書遺言によって作成するときもあります。しかし、費用が高額になることや、公正証書遺言まで使わなくていいと考え、遺言作成を先延ばしにしてしまう方もおられます。
法改正により、ハードルが低くなったので、自筆証書遺言もかなり利用しやすくなりました。
その場で作ることができる自筆証書遺言を、将来を見据えて、ぜひ活用していただければと思います。
ただし、要件を満たさなければ無効なものになってしまいます。
遺言作成のアドバイスも弊社では行っていますので、是非ご相談下さい。